仕事旅行さんの取組み
仕事旅行というサービスをご存知でしょうか。
https://www.shigoto-ryokou.com/
一昨年より、仕事旅行さんにて、”有田焼プロデューサーになる旅”というツアーを
実施させて頂いておりました。
ただ最近、移動頻度が増えて、なかなか都合がつけづらくなり、11月を最終回として、中止させて頂きました。
九州であり、更に、佐賀の有田での開催ということもあり、頻繁にあるわけではなかったですが、
微力ながら、有田の魅力をお伝えできたのかなと思います。
参加者の多くは女性で、新しいライフステージを考えている人が多く、
スキルアップや知見を広げる為に、参加される方が多かったように思います。
今回、最後に参加頂いた方から頂いたレポートが、非常に意味のある内容でも
あったので、匿名とさせて頂いた上で、シェアさせていただきます。
シェア内容(長いのでお時間有る際に。)
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Q1.体験先への総合満足度はいかがですか?
☆☆☆☆☆
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Q2.上記の満足度をつけた理由を教えてください。
今回の参加目的は
1.地方を元気にする活動(有田焼を核にした地域の取り組み)
2.廣部さんだからできる活動
3.有田焼の魅力
4.有田焼を取り巻く環境
5.自分の学びとの結びつきを知ることでした。
社会人になり、仕事での目標はあってもそれは人生の目標ではなく、仕事=人生という考えは夢の夢でした。
考えてみれば、1日のうち1番時間を費やしているのは仕事、社会とのつながりを生むのは仕事、
「○○をやっている□□さん」と、その人を表すように、仕事が自分を作り上げる役割は大きく人生と切り離せません。
ただ、仕事は一切手を抜きたくない存在であっても「働く」が大きく「どう働くか」はどこまで実現させるのか答えが出せませんでした。やりたいことは仕事ではなく、仕事以外で実現できればいいのではないかという思いもありました。
なので田中さんのインタビューで「参加すると仕事に対する価値観ががらっと変わる」という言葉がずっと疑問でした。
その疑問に見事に応えてくれたのが廣部さんです。
知識はもちろんですが廣部さんの思いとそこから派生する環境を知り、仕事=人生はあり得ると思いました。
また、自信を持ってお話してくれる姿に対して自然と出た言葉が「頑張る人を見るっていい」でした。
きっと何の誇張もなく普段通りだったはずですが、軸を持って活動することがすべてにつながると実感しました。
上記の5点以上に、この姿勢を目の当たりにしたことが収穫だったと思います。
始めから終わりまで、好きなことができる時に感じる「おもしろい」という感覚がずっとあり、充実していました。
有田焼や有田町については初心者なので、本やメディアを通して知ったことが目の前に広がりワクワクしました。
また、九州陶磁文化館では学芸員並の説明を…と、書くと、きりがありませんが
とにかく行く先々で様々な視点からお話してくださって、さすがでした。
御本人にお伝えしたのですが、話のテンポ、流れ、内容が抜群でした。
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Q3.旅の中で一番価値を感じた時間を教えてください。
前問と重複しますが、活動を裏付けする仕事への姿勢を教えてくれたことです。
私は地方に住んでいること、一度地元を離れて違う環境を知ったことで他と比較してしまうことが心の中で引っかかっていました。
何かしようとするときは「ここではできない」「なぜここには無いの」等、
半ば諦めの半面で「でもやってやる」「負けない」気持ちを原動力にしてしまうのがクセでした。
しかし、廣部さんの話の中で「やり方はあると思う」「何も無駄にならない」「誰にどう発信するかが大切」が何回も出てきて、
自分は今あるものに目を向けずに言い訳して無いものねだりをしていたんだと思いました。
もう少し前向きな頑張り方ができたのかもしれません。
廣部さんが「自分がかかわることで周りを幸せにしたい」という活動の根底にある思いを堂々と言える姿は魅力的で、
少なくとも私は前向きになれましたし、これから私もそうありたいと思いました。
あと、コップのたとえ話、本当にそうだと思います。目標にします。
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Q4.当日の感想や、仕事旅行社へのご意見など頂けたら幸いです
今回の参加目的は始めに挙げた5点ですが、なかでも5にあたる「地域(地方)でのソーシャルキャピタル(信頼、互酬性の規範、つながり)の機能、可能性」と「有田町とかかわりの無かった廣部さんの役割」について興味がありました。
参加後、私が気になったことは有田町の方から一部の意見かもしれませんが「他が何やっているかわからない」「横のつながりが弱い」「有田焼401年目が大変」との言葉が出たことでした。
以下、私見です。(ソーシャルキャピタルの視点だけですが)
有田焼を衰退させないという同じ思いがあるとしても、価値観が多様化→反映させる仕組みがなく自発的な協力が減る→ソーシャルキャピタルの豊かさが衰退しているのではと。
もしそうならば、ソーシャルキャピタルを利用した地域力を作る仕組みやリーダー(キーパーソン)が必要で。
決してリーダーが独走してはうまくいかないので、リーダーと地域のつながりを活かした活動が必要に。
リーダーは言い換えれば強い力を持ったイベントでも考えられます。
廣部さんがお話されていましたが一時的な賑わい(独走)になり得るイベントは
それ以降に何か収穫がなければ何の意味もないと思います。
401年目が不安になる理由が今年の賑わいにあるならば、淋しいなと。
県外に住む私には、何かと多彩な取り組みに見えて心が動いていたのですが。
リーダーと地域のつながりを活かすことは「一つヒーローを作って、そこから波及させる」ことにつながるような気がします。
また、ソーシャルキャピタルの特性に「内向きの結合型」と「外向きの橋渡し型」がありますが、
後者の役割として、まさに廣部さんのような立場が大きな役割を果たすと思います。
有田町の方は「有田焼を衰退させない」思いがあると私は思っているのですが、全員が同じ考えを持つことは難しいですし、
例えば「成功」と言っても何をもって成功なのかはそれぞれかもしれません。
どうなることが有田町の目標なのか知りたいです。
モノやお金で解決できる問題は、もちろんありますが、それで解決できない問題ほど難題で。地方には長年の慣習や、
異質なものに抵抗を持つ傾向もあります。
特に、すべての土台となる人のつながりは時にしがらみにもなりますが、
主人公である有田町の方々が危うさを感じているならば解決策はあると思います。
今回、訪問させていただいた先では相手の方が廣部さんに相談したり楽しそうに会話する光景がありました。
このような関係性があるからこそ他の仕事でも廣部さんが必要とされているのだろうと思います。
仕事旅行を知り、廣部さんを知り、有田焼400年の節目を知り、実際有田町まで行き、
すべてがつながって大切なきっかけを得られました。勝手ですが有田町と有田焼の繁栄を願っております。
今回は本当に充実した有意義な時間でした。参加は20~30代の女性が多いそうですが、幅広い年代の方におすすめしたいです。
今、気になっているのが同じように人生の分岐点を迎える世代として60代前後の男性の社会とのつながり方です。
シニア向けの仕事旅行があれば興味があります。
最後になりましたが、仕事旅行社さん廣部さんお世話になりました。忘れられない経験になりました。
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何事も全力でやらせて頂いてますが、
見てくれてる人は見てくれてるんだと、
本当に励みになりました。
また、まだまだ知らないことだらけで学ばないといけないですし、
僕らのような地方と東京を行き来する人間は、一人でも多くの方に、
日本の競争力の源泉に気づいてもらえるように努力し続けないと
いけませんね。
ありがとうございました。
Akira